ゴールデンウィーク期間はぎっしりと練習試合が組まれていた。
課題ははっきりしている。
“心(気持ち)”だ。
昨日の試合もそうだし、最近の練習試合を観て感じていたのは“戦う心”ができていない、ということ。
“勝とう”という意欲があまり感じられないし、
とにかく“楽しそう”にプレーしていない。
楽しくプレーすることは大切。
笑顔でプレーすることで自然と声が生まれ、チームの雰囲気と集中力が高まり、勝負できる気持ちができあがる。
まずは“楽しさ”を取り戻すことが第一、と思っていた。
翌日の練習試合では、怪我をしているユウキ、サトシそしてタカアキが欠場。
2回戦まで日にちがあることもあり、無理をさせる必要もないのでバッテリーとキャプテンである3人をしばらく休ませることになった。
そして、この日からの新たな取り組みとして、“罰走”が設けられることになった。
今までは、練習試合に勝とうが負けようが日没まで練習したのだが、この日からは、勝てばその後の練習はなし、負ければ辛く苦しい“罰走”が課されることになった。連敗すれば2倍の罰走となる。
まさに“アメとムチ”。
果たして効果はあるだろうか。
そしてこの日、コウタが“野手”として出場。
怪我から復帰した“外野リーダー”のコウダイとともに、楽しくプレーする姿が印象的だった。
その後も主力3人を欠いたまま練習試合をこなしていったのだが、意外と“負けなかった”。
ゴールデンウィーク期間中に強豪と6試合を行い4勝1分け1敗。
飛車角落ちのチーム状況の中、“たった”1敗しかしなかった。
特に、ゴールデンウィーク最終日に行った、県大会全てに出場している静岡地区の強豪との試合では相手の素晴らしい雰囲気に共鳴するかのうように、非常にいい雰囲気で試合ができた。
もちろん、結果もついてきて連勝。
「罰走になりたくない」という気持ちがチームをひとつにし、
「罰走になりたくない」という気持ちがゲーム性を生み出し、結果としてチームが同じ方向を向くことができた。
さらに、普段と違うポジションで試合をしたことで、忘れかけていた野球の楽しさを再発見したのか、自然と笑顔でプレーしていた。
“楽しんで勝つ”という
一見相反するこのふたつが、しっかりと共存しているように感じた。
このゴールデンウィーク期間の練習試合を観て感じたのは、チーム力が大きく底上げされているということ。
普段なかなか試合に出ない選手、いつもと違うポジションで出場した選手は、大きな自信を持つことができ、かけがえのない“成功体験”をすることができたのではないだろうか。
厳しい練習の先にある成功体験こそ、人を大きく成長させるきっかけのように思う。
非常にいい雰囲気の中、いよいよ明日は「レワード杯」2回戦。
三ヶ日中は“第1シード”の天竜中と対戦する。

ゴールデンウィーク期間内に4試合に登板し、1完封を含む2勝、2セーブと全ての勝利に貢献したコウタ。
こうした小さな成功体験の積み重ねこそが、それに気付き、自身が「努力したからできた!」と実感することが、成長する上でとても大事なことだんだろう。