最後の“始まり”。

平成27年3月22日。

『新人戦東海大会』二日目。
下位トーナメント決勝戦。

対伊東南中学校。

これがお世話になった先生との“最後”の試合。
勝ってほしいのだが、最後に見せてほしかった。
先生に教わった“三ヶ日中のバレー”を。

教わったサーブを全て、

教わったサーブカットを全て、

教わったアタックを全て、

教わったレシーブを全て、

教わったネット際のプレーを全て、

教わった修正能力を全て、

そして、教わった喜び方を全て、

一から十まで全てを見せてほしい。
願いはそれだけだった。


試合は伊東南のサーブで始まった。

コートセンターへ放たれたサーブを、守備の要である6番が丁寧にセッターへ返す。
セッターは素早くレフトへ上げると、エースが渾身のアタックを決める。

1対0。

三ヶ日のサーブは1番のオールラウンダーのスーパー1年生。
ブレながら相手のコートで向かったボールは、相手のカットを乱し、チャンスボールが三ヶ日へ返る。
6番が丁寧にカットし、セッターが今度はライトへ。
これをエースが一発で決める。

2対0。

このままリードを広げそうな展開だったが、
相手のサーブでいとも簡単に崩され、逆転を許す。

その後は一進一退の攻防が続き、試合は中盤へ。
なんとかキッカケとなるプレーが欲しいところ。

相手エースが、レフトから渾身のスパイク!
鋭い角度で三ヶ日コートに突き刺さる、
と思った瞬間、ボールは上にあがっていた。
「拾った!」

やっと出たビッグプレー。

だが後が続かない。

イージーなアタックミスが2回続き、
さらに、守備の要である6番がカットミス…。

11対14。

先生はここでたまらず「タイムアウト」。

これをキッカケに、守備のリズムが良くなり出す。

相手エースの強烈なスパイクに守備陣が反応。
ボールが上へとあがり出す。
ラリーが繋がり出した。

9回続いたラリーの末、1番が相手コートに突き刺し得点。

再び長いラリーが続き、今度はエースが決めた。

プレー自体は三ヶ日のペース。
だがイージーなカットミスで相手に得点を与え、
点差がなかなか縮まらない。

一セット目終盤、相手は細かく選手交代を行い、リズムに変化を付けてきた。

結局、イージーミスの多さが響き、
一セット目を20対25で落とした。


第二セットを取られれば、先生とのバレーは“終わる”。

しかもまだ、先生に教えてもらったバレーを見せられていない。

コートチェンジをし、円陣を組む彼女たち。
その円陣がほどけると、彼女たちの目つきが変わっていた。


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