勝敗よりももっと大事なコト!

話は変わるが、この試合当日、気になることがあったのでそれを記したい。

この日の朝は中学の奉仕作業で中学にいた。
持ち場がグランドだったため、複数の父兄と共に、試合会場へと向かう野球部の子たちと出くわした。
チームバスへと向かう三年生たちは、各々が奉仕作業中の(誰だかわからない)父兄に挨拶をしながらグランドを後にした。

その現場にいたひとりの父兄が話かけてきた。
「やっぱ野球部すごいね!」

なんだか誇らしかった。


グランドの隣に位置するテニスコートでは、テニス部の男子がみんなで“ドブさらい”をしていた。
この日の奉仕作業に併せて実施することにしたと思うが、新しくテニス部に入った一年生も、一生懸命作業に取り組んでいた。
その中に何人か知った顔がいた。
コウタが所属していた少年野球チーム「三ヶ日フレンズ」で、一学年下だった子たちだ。

目が合うやいなや大きな声で「こんにちわ!」と挨拶をしてくれた。
しかも笑顔で。

彼らは中学で野球を選ばなかった。
だが、とても大切なことを小学校の間に手にしているように思えた。
みんなが社交的な子ばかりではない。
むしろ“シャイ”な子の方が多い。
それでもみんな、目を見て、しっかりとした口調で挨拶をしてくれた。

小学校時代に打ち込んだ野球を通じ、とても大切なことを身につけてくれていた。
これまた誇らしい気持ちになった。。


三ヶ日中の試合は正午からだったため、奉仕作業後でも十分に間に合う。

会場へ到着し父兄の応援席へと向かう途中、ベンチを外れた子たちの集団に出くわした。
二年生が中心となって、グランドで戦っている選手たちに大きな声援を送っていた。

彼らの後ろを通り過ぎようとした時、その内の何人かと目が合った。
みんな見つけるやいなや「こんにちは!」と挨拶をしてくれた。
一年生の大半も挨拶をしてくれたが、何人かは全く挨拶ができなかった。
気になったので声を掛けたが全く反応がない。
反応がないどころか、目も合わさない…。

当然ながら嫌な気持ちになった。

この子がどんな子なのか知らない。
たぶん初めて見た。
実際はとてもいい子なのかもしれないし、野球がメチャクチャ上手いのかもしれない。
何も知らない“その子”に対し、嫌悪感を抱いてしまった。
きっと知っている人にはちゃんと挨拶できると思うが、この時は“一切”なかった…。


挨拶とは「心を開いて相手に近づく」という意味があるらしい。

挨拶をすることで人間関係が円滑になるようだ。

そもそも野球はひとりではできない。
仲間がいて、教えてくれる指導者がいて、サポートしてくれる父兄がいて、応援してくれる地域の人々がいて、さらには対戦相手、審判、大会を運営してくれる方々、スポンサーさんなどなど…。
あらゆる人たちの支えがあって野球をすることができている。
もちろん、これは野球に限った話ではない。
他のスポーツも同様だし、吹奏楽部などの文化部に関しても同じだ。
もちろん社会人も。

人はひとりでは生きていけない。
さまざまな人の手を借りて生きていく。
さまざまな人とつながるために挨拶はある。

それほど大事だし、人生において不可欠なモノである。


「野球部=ちゃんと挨拶ができる」

完全な先入観だが、ずっとそう思ってきた。
だからコウタには野球をやってほしかった。
技術云々というよりも、ちゃんと挨拶のできる人間になってほしかったから野球をやってほしかったのだ。


おかげとコウタは挨拶“だけ”は小学校の時からできた。

挨拶をすることで認められ、

挨拶をすることで信頼され、

挨拶をすることで役割ができ、

挨拶をしたことで自信がついた。


挨拶ができたことで今のコウタがある。


本来は先輩たちの姿を見て自然と身に付くべきモノだと思うが、気付かずに中学生になった子もたくさんいる。
「中学になってから習慣付ければいいのでは」という方もいるかもしれないが、思春期をむかえ、反抗期に突入し始める中学になってからでは少々遅い気がする。
挨拶を身に付ける時期はいつか。
それはやはり小学校時代だと思う。
純真無垢な小学生のうちにしっかりと挨拶をできるようにすべきではないだろうか。
そういった意味では少年野球はうってつけだと思うが、チームによってはできていない子がいるのが残念でならない。
これこそ勝敗よりももっと大事なことではないだろうか。


応援席に座り試合を観戦していると、次の試合の選手たちがウォーミングアップのために移動を始めた。
ウォーミングアップ場所はグランドの南側。
我々が座っている応援席を抜けた奥だ。

大きな荷物を抱えた選手たちが我々の背後を通り抜ける。

「こんにちわ!」

通りすぎる選手たちが我々に挨拶をしながら通っていった。

片方のチームだけではない。
この後の試合で対戦する両チームの選手たちが、赤の他人である我々にちゃんと挨拶をして通り抜けて行った。

実に晴れやかな気持ちになった。

「野球部=ちゃんと挨拶ができる」
どうやら先入観ではなかったようだ。



今日挨拶してくれなかった子は、いつから挨拶ができるようになるだろうか。

これはこれで楽しみにしておこう。


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この記事へのコメント
ご無沙汰しています。

お久しぶりにコメントさせていただきます。

私が今まで感じた事を少々・・・・

少年野球の活動の中で最近感じたのは、敬語が使えない子が多いことです。

いわゆる「タメ口」 

「俺はオメーのダチじゃねーよっ」と思いますが、そこは大人なので・・・

家では、野球をやっている時(家での自主練中でもです)子どもは私に敬語を使います。

それは、中学へ入れば先輩には敬語で話さなければいけません。

小学校時代仲が良くても・・・・それを見越して自然に敬語が話せるように・・・

それが挨拶に繋がっているかは不明ですが・・・

野球をやっていれば、出来るようになる?

私はそれ以前の問題だと思います。

挨拶なんかは、家で「おはよう」「いってきます」「ただいま」「おやすみ」といったことが自然に出るものだと思っています。

家でそんな挨拶が自然にできていれば、どこだってできると思っています。

性格もあるかもしれませんが・・

挨拶は「形」ではなく「心」だと・・・・

どんな形であれ、心の挨拶ができるようになってほしいですね。


あっ・・・・また余計なことを言ってしまいました・・・・

では、総会でお会いしましょう・・・お手柔らかに・・・・
Posted by ケロロ少佐ケロロ少佐 at 2013年05月17日 00:35
敬語までいけなかったけどその通りだよね。

わからない、というよりも、恥ずかしいから使わない、感じもするんだよね。

当然ですが、「挨拶ができない子は敬語も使えません」

ゆっくりと成長を見届けたいと思います。


ただ、野球部先入観シリーズ、もうちょっとやります。
Posted by ワカさんワカさん at 2013年05月17日 01:03
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