週末に行われた「浜松市中学校新人野球大会」。
三ヶ日中学野球部は土曜日に行われた2回戦、3回戦を勝利しベスト8進出。
日曜日に行われた準々決勝では敗れてしまったが、「西部大会」進出を決めた。
これで2年連続の「全国大会」出場を目指すことができる。
一日一日を大切に、全国大会目指して頑張って欲しい。
祝日となった月曜日にも練習試合が組まれていたが、浜松(旧浜松市)の中学校への遠征だったため、今回は観戦を諦めた。
というのも、浜名湖支部管轄(旧引佐三町と湖西市、新居町)のグランドには小学校時代に何度も観戦にいったため勝手が知れているのだが、浜松(旧浜松市)になるとそうはいかない。
特に駐車場で悩む可能性が高い。そのため、なんとなく敬遠してしまう。
とはいえこれは言い訳。
土曜日に“強度”の吞み会があったため、月曜日は「ダラダラしよう」と決めていたのだが…。
午後2時半過ぎ。
メールが鳴った。
他の中学はどうかわからないが、三ヶ日中学では父兄全員に試合結果のメールを会長さんが送ってくれる。
公式戦であろうと、練習試合であろうと、メールを送ってくれる。
これは週末の楽しみのひとつになっており、いつもメールが来るのを楽しみにしている。
メールにはスコアのほか、バッテリーの名前、ホームランを打った子の名前を載せてくれているので、アレコレと試合展開を想像するのも実に楽しい。
早速メールを開封。
「んっ!?」
練習試合は2試合行われたようだが、ともに負けていた。
しかし気になる文字が載っている。
しばらく“じっ”とその文字を見続ける。
「……」
クドイようだが、メールの内容は①試合のスコア②その試合のピッチャーおよびキャッチャー③ホームランがあった場合は打った子の名前、の3項目が載っている。
“じっ”と見ている文字があるのは②のその試合のピッチャー欄。
先発ピッチャーが完投していれば「先発ピッチャー名-キャッチャー名」、3人が投げていれば「先発、2番手、3番手-キャッチャー」となる。
1試合目の②の欄の二人目の所に「若松」と書いてあった。
コウタの名字は「若松」。
いくら考えてもチーム内に「若松」はいない…。
(投げたのか!)
投げたといっても1イニングだろうと思ったが、「試合を壊したのでは…」と不安に思いながらコウタの帰りを待った。
最も怖いのは自信を喪失すること。
いや自分が自信を失うだけならまだいい。最も怖いのはチームメイトからの信頼を失うことだ。
「アイツが投げる時は守りたくない…」
と思われれば、“終わり”だ。
ピッチャーがボールを投げることでイニングが始まり、みんなが守ってくれることでベンチに戻れる。
ピッチャーがみんなを信頼することで、みんながピッチャーを助けてくれる。
マウンドからみんなに声を掛けることで、みんなはマウンドにいるピッチャーを孤独にさせまいと励ましてくれる。
コウタが目指すピッチャー像は「みんなを信頼して“打たれる”ピッチャー」。
無論、本人が言っているのではない。
自分が勝手にそう思っている。
ボールは遅い。
制球も良くない。
あるのは“心”。
「ピッチャーをやりたい!」という強い心と、仲間を信頼する心だ。
小学校の時、コウタが投げている試合で外野を守っている子が“2度”突っ込んだもののボールを捕れず後逸。
結果は2度ともホームラン。
それが発端となり、試合に負けた。
試合後、負け投手となったコウタを励まそうと「あのエラーが無かったら…」というようなことを言ったら、コウタはこう言った。
「アイツの足だからあそこまで行けたんだよ!一生懸命にアウトを取ろうとして突っ込んだよ!」
小学校の時、コウタはエラーに対し文句を言ったことがない。
言っていたのかもしれないが、自分は聞いたことがない。例え下級生の凡ミスであっても聞いたことがない。
コウタが帰宅した。
元気よく帰宅した。
「今日、オレ投げたよ!」
こっちが聞く前に話をしてくれた。
マウンドにあがった時、人生で一番緊張したこと。
いきなり2者連続で四球を与えたこと。
牽制をしたこと。
バント処理をしたこと。
1イニングを投げ、2失点したこと。
コウタはさらに続けた。
うれしそうに話を続けた。
先輩たちが試合中ずっと励ましてくれたこと。
チェンジになった時、先輩たちが「ナイスピッチング!」と言ってくれたこと。
監督、コーチが「はじめてにしては上出来」と言ってくれたこと。
途中からはピッチングの話ではなく、「○○さんに○○って言ってもらえた」という話が続いた。
うれしかった。
ひとつはチャンスをもらえたこと。
他の1年生が続々と練習試合に出場するなか、コウタは一度も出場機会がなかった。
大会直後の練習試合。目的は“新戦力の発掘”と“記念出場”。
コウタの出場は明らかに後者。
それでも、中学生になって初めて出場したポジションは“ピッチャー”。
目標としていた“小高い”マウンドの上だった。
もうひとつは“みんな”が声を掛けてくれたこと。
マウンドにいる、ガリガリでちっぽけなコウタに対し、みんなは励ましの言葉を送ってくれた。
先輩たちからすれば、“いつも通り”の声掛けだったかもしれない。
しかし、コウタからすればとてつもなく頼もしい後押し。
ひとりでバッターと戦っているのではなく、“みんなで”戦っている、と思わせてくれる声だったに違いない。
ピッチャーとして必要な技術はほとんど持ち合わせていない。
だが、野球を通じて手にして欲しかった“仲間”を手に入れてくれそうな気がする。
そしてなってくれるような気がする。
仲間を信頼し、そして仲間からも信頼される人間に。
僕こうたが投げてるとき
守ったぜwww
確か僕も「ナイスピッチング」
っていったようなww
いつもありがとうございます!!
フレンズ唯一の先輩として
たよりにしてます!
これからも宜しくお願いします。
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