10月29日。
この日は、「引佐大会」二日目。2回戦と3回戦が行われ、ベスト4が出揃う。
フレンズは、“強豪”浜北スモールジャイアンツと対戦する。
ワタシ自身は、結構、この対戦を楽しみにしていたのだが…。
前日まで6年生は修学旅行。
旅行記を聞こうと早めに帰宅したのだが、コウタはすでに就寝中。
聞けば、学校から帰るとすぐに晩御飯を食べ、そのまま寝たらしい。
よほど疲れていたのか…。
試合当日、みんながアップをしている中、サトシだけベンチに座っていた。
「まさか、先週違和感があった肘か!?」
サトシに駆け寄り状況を聞くと、お腹が痛く、悪寒がするらしい…。
前日、サトシは帰宅後すぐに寝たらしい。
(ご飯も食べずに…)
「はっ!」と思った。
コウタとサトシはホテルが同部屋!
間違いなく“夜更かし”をしたに違いない!
結局、体調が戻らないサトシは欠場が決定。
一方のコウタも芝生に体育座りをしたまま“ボ~”としている…。
「気持ち悪い…」
ボソッとコウタが呟いた…。
他の6年生も話題の中心は“修学旅行”。
当然、それも大切な思い出。
致し方あるまい。
毎年、三ヶ日東小学校の修学旅行は「引佐大会」の2回戦の前日に帰ってくるらしい。
だから、「毎年フレンズは2回戦で敗退する」と言われていたのだが、理由が分かった気がする。
試合はフレンズが先攻で試合開始。
半ば諦めていたが、残り試合が少なくなっている現状を考えると、なんとか“らしい”試合をしてもらいたい。

そんなことを思っていると、ユウがいきなり内野安打で出塁!

送りバントで2塁へ。
いきなりのチャンス!
ここでバッターボックスに入るのは、“3番”に戻ったエイスケ。

先制点が欲しい場面。エイスケに期待がかかるが、なんと“見逃し”三振…。
1回戦から合わせると、まさかの3打席連続の“見逃し”三振…。
スランプは続く…。
バッターボックスは、サトシに変わり“4番”に座った5年生のキョウタロウ。

三塁線を破るタイムリーツーベース!
フレンズ先制!

コウヘイにもタイムリーが飛び出し、“まさか”の2点先制!
2点を先制したフレンズ。

先発のマウンドは“気持ち悪い”を連発したコウタが上がる。

サトシは、それをベンチの端で“ぼ~っ”と眺めていた。
“俊足”の先頭打者にデッドボールを与えると、すかさず走られノーアウト2塁。
いきなりのピンチ。
さらに次の打者にはフォアボールを与え、ノーアウト1、2塁。
もはやどうしようもない…。
しかし、3番、4番をピッチャーゴロ、サードフライに抑え、ツーアウトにこぎつける。
(ここを無失点で切り抜ければ面白いぞ!)
5番バッターの打球は、サード後方へ“フラフラ”とフライが上がる。
(おお、打ち取った!)
しかし、ボールが太陽に入り、キョウタロウがグローブに当てながらも落球…。
同点。
こうなると、もう試合にならない…。
バッターにボールを当てまくるピッチャー。
万歳しまくる外野…。
しまいには、ボールを蹴りだした…。

サトシは依然、具合が悪そう…。
結局、何もできずに3対9で敗戦…。
コールド負けになってもおかしくない試合だった…。
サトシに休息を与えられたという点では、意味があったかもしれないが…。
試合後、チームは細江球場へ移動。
細江球場では三ヶ日中野球部が西部大会を戦っていた。
この年(2年生)、フレンズから三ヶ日中野球部に“進学”したのは4名。
その4名すべてがレギュラーとして試合に出ていた。
新津中学と戦っていたようだが、チャンスをキッチリ活かし快勝。
結局、この大会を優勝した。
誇らしい気持ちになったのは言うまでもない。
10月30日。
この日は“久しぶり”の練習。
前日“具合”が悪かった6年生も元気にやってきた。
この日の練習は、なんとなく、クールダウンの意味合いもあったようだ。

もちろん、サトシも。
みんな楽しそうにボールを追っていた。

エイスケはここでも“ポロリ”…。
練習後、会長さんが6年生を呼び出した。
それぞれの目標を再度確認するためだ。
みんながそれぞれ目標を言った後、最後にコウタがこう言った。
「秋季大会優勝です!」
しかし、それは現状では“絶対”無理。
以前の“絶対に諦めない”フレンズに戻らなければ無理だ。
親の想いはみんな同じ。
「もう一度、今一度、フレンズらしい戦いをして欲しい!」
それを思い出してもらうためだったら、多少ウザがられても大丈夫。
最後に、DVDを観てもらった。
県大会までの道程をまとめたものだ。
ちゃんと観てもらえるか不安だったが、観せた。
DVDが流れ出すと、みんな画面に食い入るように、真剣に観入っていた。
DVDは今までの写真を、GReeeeNの「Green boys」にのせて動画にまとめたもの。
GReeeeNのこの歌はNHKの「アスリートの魂」の主題歌として使用されていて知ったのだが、そもそもは、震災応援ソングらしい。
初めて聞いた時に“鳥肌”が立つ程、心に染み込んだ歌だ。
「まるでフレンズのための歌」
と思ったためだ。
一番好きなフレーズは「僕ら何度でも何度でも立ち上がれるさ 諦めないのが僕らの道標」。
フレンズはまさにそんなチームだった。
“諦めないのがフレンズの道標”
秋季大会は今週末から始まる。
フレンズの県大会までの“奇跡”をまとめたDVD
「フレンズ、県大会へ行く。」
http://www.youtube.com/watch?v=IYid4Ub4YWA