10月10日。
この日は“秋”の町内チャンピオンを決める「交通安全大会」。
交通安全大会とは、8時から約1時間、指導員による交通安全教室が行われ、その後、三ヶ日町内5チームによるトーナメントの試合が行われる大会。
大会自体は今年で9年目となるが、今までの8回は“全て”三ヶ日ジュニアファイターズが優勝している。
「町内大会」とはいえ、町内には、15チームある支部を勝ち抜き、黒潮杯(県大会)に出場する、“超強豪”三ヶ日ジュニアファイターズがいるため、当然、簡単な大会ではないし、意義も充分ある。
当日、抽選を行い、結果、フレンズは、ジュニアファイターズとスターズの勝者と2回戦で戦うことになった。

選手宣誓はコウタ!「交通安全大会」で交通事故に遭ったコウタが選手宣誓とは、皮肉のような、何か起こりそうな予感と言うか…。ちなみにこの日はコウタの誕生日でもあった。
1回戦はジュニアファイターズがコールド勝ちで2回戦へ進出。
しっかりエースを温存していた。
今年になってファイターズとレギュラー戦で対戦するのは3回目。
1回目は練習試合、2回目はZ会旗支部予選の準決勝で対戦し、ともにフレンズが勝利。
フレンズがファイターズに勝つ事自体がそもそも“奇跡”なのだが、3度目ともなるとなんと表現すればいいのか。
とは言えそこは強豪チーム。
最後の県大会となる黒潮杯では、支部王者の細江を決勝で下し県大会出場を決めるところは“さすが”と言ったところか。
試合はジュニアファイターズが先攻でプレイボール。

フレンズの先発はもちろん“大エース”サトシ!

この日もコウタは“声”でチームを鼓舞する。

ここ最近はピッチングに“凄み”が増した感があるサトシ。ファイターズ打線を全く寄せつけない。
初回のファイターズの攻撃は0点。

フレンズの攻撃は“通算出塁率5割”を目指すユウがヒットで出塁!
目標に向かって着々と“仕事”をこなす。

ツーアウト後、バッターボックスにはサトシ。サトシの目標は、あと3本に迫っている“ホームラン10本”。

初球を叩くと、ボールは高々とレフト方向へ舞い上がる!
レフトが必死に下がるが、途中で足を止めた。
柵越え!!
とにかくサトシのホームランは美しい!
“ホームランアーティスト”と呼ばれた田淵を彷彿とさせるような、高い軌道のホームランだ。

ゆっくりとホームイン!

チームメイトの祝福を受ける。
この後も追加点を上げ、1回が終わって3対0でフレンズがリード。
2回のファイターズの攻撃は4番からの好打順だが、サトシの快投の前に三者凡退。
2回の裏のフレンズの攻撃は、1番のユウから。

再びヒットで出塁すると、すかさず盗塁!
ファイターズを攻め立てる!

ツーアウトながら、バッターはサトシ!
今度はセンターオーバーの“シングル”ヒット!
ユウが生還し1点を追加。

サトシの後を打つキョウタロウは“当然”力みまくり…。
2回が終わって4対0でフレンズがリード。
3回はエラーと四球が絡み、満塁のピンチを招くが無失点で切り抜ける。

3回の裏のフレンズは、コウタが3塁まで進むものの…。

スクイズを完全に外され無得点…。

コウヘイは体を張った守備で貢献。
3回が終わって4対0でフレンズがリード。

その後もサトシは安定したピッチングを披露。4回、5回と三者凡退に切ってとる。
結局、試合はほぼこのまま(最終回にノーヒットで1点を取られたが)終了!
4対1でフレンズ、というよりも“サトシ”の勝利!!
今年のチームにとって、なんと、対ファイターズ3戦3勝!!
三ヶ日のチームにとって、これはまさに“偉業”!!
とはいえ、まだ何も勝ち取っていない。
決勝戦が残っている。
決勝戦で勝って、ファイターズの名前しかない優勝旗に、フレンズの名前を残してこそ、この勝利は価値がでる。

決勝戦のマウンドはコウタ!最近ピッチャーぽくなってきたのでひそかに期待!
投球練習をしている姿を見て「あれ?」と思った。
おそ~い球を、突っ立ったまま投げている…。
完全なる“キャッチボール”投法…。
「試合になれば変わるのかな…」
なんて思っていたが、試合が始まってもキャッチボール投法中心のピッチング…。
先頭打者に対しては、おそ~い球で追い込むと、速球で三振に取ったが、その後は、全ておそ~い球…。
しかも、突っ立ったまま投げている…。
聞けば、先週の練習試合でおそ~い球で凡打の山を築いたので、今日も投げている、ということらしい…。
それにしても“ひどい”…。
制球も定まらない…。
本当に先週、こんな投球で抑えたのか…。
無論、スローボールを否定している訳ではない。
どちらかといえば“あり”だ。
問題はフォーム。
プロの選手の中には、スローボールを投げることでフォームを確認するピッチャーがいる、と聞いたことがある。
しっかりしたフォームで投げるスローボールは、投球フォームを固める、確認するなど、さまざまな面で有効ということだろう。
しかし、上体だけで投げる“それ”には、果たしてどんな意味があるのだろう。
コウタは以前、
「凄いピッチャーじゃなく、勝てるピッチャーになりたい」
と言っていた。
その結論がこのピッチングか…。
そもそも“勝てるピッチャー”の意味を履き違えている。
“勝てるピッチャー”とは、打たれる、打たれないの類ではない。チームのあらゆる想いを背負ってマウンドに上がり、その背中でチームメイトを鼓舞するピッチャーではないのか。そんなピッチャーがいるから“奇跡”が起こるのではないか。
そもそもコウタは全くもって“凄いピッチャー”ではない。だが“勝てるピッチャー”だったはず。だからこそフレンズに“奇跡”が舞い降りたのだのではないか。
ユウも、サトシも、自分で設定した目標に向かって日々進歩している。
コウタは一体、どこへ向かうのか…。
試合の方はというと、

復調の兆しが見えたエイスケや

サトシのタイムリー

コウタのツーランスクイズ
などなどで得点を積み重ね圧勝!
見事優勝を果たした。

優勝旗に初めて、ジュニアファイターズ以外の名前が入る!

大会の最優秀選手は“文句なし”でサトシ!

まあ、良かった。