第73話/勝利の先に見える“闇”!

10月10日。

この日は“秋”の町内チャンピオンを決める「交通安全大会」。
交通安全大会とは、8時から約1時間、指導員による交通安全教室が行われ、その後、三ヶ日町内5チームによるトーナメントの試合が行われる大会。
大会自体は今年で9年目となるが、今までの8回は“全て”三ヶ日ジュニアファイターズが優勝している。

「町内大会」とはいえ、町内には、15チームある支部を勝ち抜き、黒潮杯(県大会)に出場する、“超強豪”三ヶ日ジュニアファイターズがいるため、当然、簡単な大会ではないし、意義も充分ある。

当日、抽選を行い、結果、フレンズは、ジュニアファイターズとスターズの勝者と2回戦で戦うことになった。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
選手宣誓はコウタ!「交通安全大会」で交通事故に遭ったコウタが選手宣誓とは、皮肉のような、何か起こりそうな予感と言うか…。ちなみにこの日はコウタの誕生日でもあった。


1回戦はジュニアファイターズがコールド勝ちで2回戦へ進出。
しっかりエースを温存していた。

今年になってファイターズとレギュラー戦で対戦するのは3回目。
1回目は練習試合、2回目はZ会旗支部予選の準決勝で対戦し、ともにフレンズが勝利。
フレンズがファイターズに勝つ事自体がそもそも“奇跡”なのだが、3度目ともなるとなんと表現すればいいのか。

とは言えそこは強豪チーム。
最後の県大会となる黒潮杯では、支部王者の細江を決勝で下し県大会出場を決めるところは“さすが”と言ったところか。

試合はジュニアファイターズが先攻でプレイボール。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
フレンズの先発はもちろん“大エース”サトシ!

第73話/勝利の先に見える“闇”!
この日もコウタは“声”でチームを鼓舞する。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
ここ最近はピッチングに“凄み”が増した感があるサトシ。ファイターズ打線を全く寄せつけない。

初回のファイターズの攻撃は0点。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
フレンズの攻撃は“通算出塁率5割”を目指すユウがヒットで出塁!
目標に向かって着々と“仕事”をこなす。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
ツーアウト後、バッターボックスにはサトシ。サトシの目標は、あと3本に迫っている“ホームラン10本”。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
初球を叩くと、ボールは高々とレフト方向へ舞い上がる!
レフトが必死に下がるが、途中で足を止めた。

柵越え!!

とにかくサトシのホームランは美しい!
“ホームランアーティスト”と呼ばれた田淵を彷彿とさせるような、高い軌道のホームランだ。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
ゆっくりとホームイン!

第73話/勝利の先に見える“闇”!
チームメイトの祝福を受ける。

この後も追加点を上げ、1回が終わって3対0でフレンズがリード。

2回のファイターズの攻撃は4番からの好打順だが、サトシの快投の前に三者凡退。

2回の裏のフレンズの攻撃は、1番のユウから。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
再びヒットで出塁すると、すかさず盗塁!

ファイターズを攻め立てる!

第73話/勝利の先に見える“闇”!
ツーアウトながら、バッターはサトシ!

今度はセンターオーバーの“シングル”ヒット!

ユウが生還し1点を追加。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
サトシの後を打つキョウタロウは“当然”力みまくり…。

2回が終わって4対0でフレンズがリード。

3回はエラーと四球が絡み、満塁のピンチを招くが無失点で切り抜ける。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
3回の裏のフレンズは、コウタが3塁まで進むものの…。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
スクイズを完全に外され無得点…。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
コウヘイは体を張った守備で貢献。

3回が終わって4対0でフレンズがリード。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
その後もサトシは安定したピッチングを披露。4回、5回と三者凡退に切ってとる。

結局、試合はほぼこのまま(最終回にノーヒットで1点を取られたが)終了!

4対1でフレンズ、というよりも“サトシ”の勝利!!

今年のチームにとって、なんと、対ファイターズ3戦3勝!!
三ヶ日のチームにとって、これはまさに“偉業”!!

とはいえ、まだ何も勝ち取っていない。
決勝戦が残っている。
決勝戦で勝って、ファイターズの名前しかない優勝旗に、フレンズの名前を残してこそ、この勝利は価値がでる。


第73話/勝利の先に見える“闇”!
決勝戦のマウンドはコウタ!最近ピッチャーぽくなってきたのでひそかに期待!

投球練習をしている姿を見て「あれ?」と思った。

おそ~い球を、突っ立ったまま投げている…。
完全なる“キャッチボール”投法…。

「試合になれば変わるのかな…」

なんて思っていたが、試合が始まってもキャッチボール投法中心のピッチング…。

先頭打者に対しては、おそ~い球で追い込むと、速球で三振に取ったが、その後は、全ておそ~い球…。
しかも、突っ立ったまま投げている…。

聞けば、先週の練習試合でおそ~い球で凡打の山を築いたので、今日も投げている、ということらしい…。

それにしても“ひどい”…。

制球も定まらない…。

本当に先週、こんな投球で抑えたのか…。

無論、スローボールを否定している訳ではない。
どちらかといえば“あり”だ。
問題はフォーム。

プロの選手の中には、スローボールを投げることでフォームを確認するピッチャーがいる、と聞いたことがある。
しっかりしたフォームで投げるスローボールは、投球フォームを固める、確認するなど、さまざまな面で有効ということだろう。

しかし、上体だけで投げる“それ”には、果たしてどんな意味があるのだろう。

コウタは以前、
「凄いピッチャーじゃなく、勝てるピッチャーになりたい」
と言っていた。

その結論がこのピッチングか…。

そもそも“勝てるピッチャー”の意味を履き違えている。
“勝てるピッチャー”とは、打たれる、打たれないの類ではない。チームのあらゆる想いを背負ってマウンドに上がり、その背中でチームメイトを鼓舞するピッチャーではないのか。そんなピッチャーがいるから“奇跡”が起こるのではないか。
そもそもコウタは全くもって“凄いピッチャー”ではない。だが“勝てるピッチャー”だったはず。だからこそフレンズに“奇跡”が舞い降りたのだのではないか。

ユウも、サトシも、自分で設定した目標に向かって日々進歩している。

コウタは一体、どこへ向かうのか…。


試合の方はというと、

第73話/勝利の先に見える“闇”!
復調の兆しが見えたエイスケや

第73話/勝利の先に見える“闇”!
サトシのタイムリー

第73話/勝利の先に見える“闇”!
コウタのツーランスクイズ

などなどで得点を積み重ね圧勝!

見事優勝を果たした。

第73話/勝利の先に見える“闇”!
優勝旗に初めて、ジュニアファイターズ以外の名前が入る!

第73話/勝利の先に見える“闇”!
大会の最優秀選手は“文句なし”でサトシ!

第73話/勝利の先に見える“闇”!
まあ、良かった。


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あとがき
あとがき(2012-04-26 21:04)

この記事へのコメント
お疲れさまでした。

そして優勝おめでとうございます。

事実上の決勝戦であった、ファイターズとの試合、圧勝でしたね。

私は、SBO(今はBSOかな)をやりながら見守っていましたが、あの速球はなかなか打てませんよ。

遅い球でストライクを取れれば、完璧ですね~。

公式戦も残り少なくなりましたが、いい思い出が残せるように頑張ってほしいと思います。
Posted by ケロロ少佐ケロロ少佐 at 2011年10月12日 17:56
ありがとうございます。

残りわずかですが、もうひと盛り上がり欲しいと思っているのは贅沢かな…。
Posted by ワカさん at 2011年10月13日 03:39
優勝おめでとうございます!

コウタ世代すごい!!

スゴすぎる!!!

この半年間フレンズ(特に6年生)の成長はまさに谷口キャプテンの墨谷ニ中のようにドラマチックでした。

コウタはピッチングだけでなくメンタル面でも優勝に大きく貢献しましたよ!
最強世代の最高のキャプテン谷口になったと思いますよ。
Posted by セーフティ親父 at 2011年10月13日 23:11
セーフティ親父さん

コメントありがとうございます!

おしゃる通り、実にドラマチックな世代でした。

とはいえ、(わずかですが)まだあります。

最後までやり通してこそ評価できることだと思っています。

とにかく最後まで、諦めずに、やり通してもらいたい、と願うばかりです。
Posted by ワカさん at 2011年10月14日 12:30
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