1月22日。
この日は恒例となっている「親子対決&バーベキュー大会」。
対外試合禁止期間を利用して、子供チームと親チームが対戦する“お遊び”。
お遊びと言っても、お父さんたちは息子たちに“いい所”を見せたいため真剣そのもの。
何人かは前日にバッティングセンターに行ったようだ。
子供チームはサトシが先発。
勝敗が関係ないためか、投球練習の時から“ブンブン”に飛ばす。
コントロールをあまり気にせずに投げるサトシは“やはり”速い。
本気のお父さんたちから三振を奪うなど、手抜きをする様子はない…。
そんな中、打順が回ってきたためバッターボックスへ向かう。
手にしたのはコウタのバット。
短いが子供はこういう所を“結構”見ている。
バッターボックスに入るとそのスピード感は一層増す。
「よくもこんなに速い球を当てるものだ…」
と子供たちに感心している間に追い込まれた…。
三振だけは嫌だ…。
振ったバットにかろうじてボールが当たる。
ボテボテだが、飛んだコースが良くセンター前へと抜けた。
(ほっ)
二打席目。
肩が温まってきたサトシはさらにギアを上げる。
ボールが速いだけではない。
キャッチャーが構えた所にボールが“ズドン”と大きな音を立てて収まる。
こうなるとどうしようもない…。
結局、この打席は“インロー”のストレートに手出ず、見逃しの三振…。
(サトシが凄い、ということでお願いします…)
最後の打席の時にはコウタが登板。
これまた、コントロールを気にせずに“ブンブン”に投げてきた。
そのせいか、思っていたよりも“速い”…。
結局、サードのファールフライに打ち取られた…。
コウタを見ると“余裕”の表情でこっちを見ていた。
「くそっ」
と言う顔はもちろん笑顔だった。
ユウも、エイスケもお父さんに、お父さんが仕事で来られなかったコウヘイは監督に投げ、みんな親を打ち取っていた。
打ち取られたお父さんたちは一様に悔しがったが、笑顔だった。
お父さんだけではなく、監督も、コーチも、食事の準備中に遠くから眺めていたお母さんたちも、みんながみんな“笑顔”だった。
みんな子供たちの成長が嬉しかったのだ。
試合をしてみてわかったのだが、今年のチームは完全に“試合向き”ということ。
年明けの練習を見る限り、6年生は以前のような“どヘタくそ”に戻っていた。
練習を見る限り、“やはり”5年生の方が圧倒的に上手い。
6年生が中心ではもはや試合にならないような気がした。
だが、試合になると6年生が“突如”輝きだす。
6年生が頼もしく見えるのだ。
6年生は確かに“どヘタ”だ。
しかし、みんながみんな、手を抜くことなく、一生懸命、精一杯、練習に取り組んでいる。
その成果が試合“だけ”で出るのかもしれない。
“練習のための練習”ではなく、“試合のための練習”。
そこまで考えてやっているとは思えないが、結果的にそうなっているのだと思う。
ともあれ、今年のチーム、そしてこの日の親子対決は、生涯の思い出として、ずっと心に残っていることだろう。

試合後はみんなでお母さんたちが作ってくれたうどんやフランクフルトなどをいただきました。