「全国軟式野球大会」支部予選。
2回戦から登場の三ヶ日中は、相手のミスに助けられ、なんとか勝利。
次の土曜日に、ブロック大会進出を懸け、“強豪”引佐南部中と対戦することとなった。
だが内容はとても褒められるモノではなかった。
“ひたむきさ”が全くなかった。
「絶対に勝つ!」をいう意思もあまり感じられなかった。
「どうせ勝てるだろう」
そんな雰囲気の中でプレーしていたように見えた。
冬を越え、確かにチームは見違えるほど粘り強くなった。
どことやっても、簡単には負けなくなった。
プレーしている選手たちは大きな自信を得たに違いない。
もちろん、観ているコッチも、大きな期待を抱いている。
だが、それは全てが“ひたむきさ”の上に成り立つ話。
相手を尊重し、一球一球に“ひたむき”に、“中学生らしく”プレーし、勝利を掴み取る。
それこそが彼らのプレー、持ち味だったはず。
その“ひたむきさ”に我々は感動したのだ。
この日のプレーはというと…。
「結果が出た」という一点については良かったと思うのだが…。
確かに強くなった。
だが、まだ何も手にしていない。
彼らは知っているはずだ。
SBS杯では、あと一歩、ホントにあと一歩の所で県大会出場を逃した。
彼らは知っているはずだ。
あのツラく、厳しい練習の意味を。
彼らは知っているはずだ。
勝ちきらなければならないことを。
絶対に忘れてはならない。
あの日流した涙を。