第61話/大敗の中の“光”!

ワカさん

2011年08月12日 13:36

8月6日。

この日は、島田大会2回戦。
この大会でも「2日目進出」という目標は達成できた。

この日は、セカンドのレギュラーのヒロキが発熱により欠場。
代わりに、去年レギュラーセカンドだったキョウスケが入ったが、今年に入って一度もセカンドの練習をしていない。多少不安…。

対戦相手は初倉ファイターズ。
開会式の時にコウタに声を掛けてくれた子がいるチームだ。

対戦相手を聞いたコウタは
「やった!」
と喜んでいた。

声を掛けてもらえたのがよほど嬉しかったらしい。


常に楽しそうにプレーするコウタ。それが一番大切!

先攻は初倉ファイターズ。


フレンズの先発はもちろんエースのサトシ。

心配される立ち上がり。
ツーアウトからヒットを打たれるものの、牽制で刺しチェンジ。


1回の裏のフレンズの攻撃は三者凡退。期待のエイスケはあえなく三振…。

2回の表、初倉ファイターズの攻撃は4番から。
この4番バッター、少年野球では珍しい“手”でタイミングを取るタイプで、構えからトップにかけてはまるでメジャーリーガー。
「あれで打てるのかな…」
なんて思っていると、いきなりセンターオーバーの特大のホームラン!!
メチャメチャ凄いバッターだった。

1点を先制された。

その裏のフレンズの攻撃も三者凡退。

2回を終わって0対1。

3回表の初倉ファイターズの攻撃。
ワンアウトから四球で出塁を許すと、すかさず盗塁を決められワンアウト2塁。
次の打者の打球は、セカンド右へ。
キョウスケが追いついたかに見えたが、グラブをかすめ外野へ転がる。
このスキに2塁ランナーがホームイン。
1点を追加された。

その後、ツーアウトながらランナー2塁でバッターボックスには“メジャー”ばりの4番が入る。
はっきりいって、この子は明らかに別格。
見ていてメチャクチャ打たれそう…。

1塁は空いている…。
だが、試合は劣勢…。
明らかに初倉ペース…。
流れを変えるプレーが欲しい…。

となればここは勝負!

サトシに託す!


“それ”を悟ったかのように、サトシのピッチングが豹変!この日一番の速球を“グイグイ”と投げ込む!

最後はスローボールを打たせて平凡なセンターフライ!

今まではこのスローボールが上手く使えなかったが、この4番バッターに投じたスローボールは実に効果的だった!
速球とこのスローボールを組み合わせれば、強打者でもきっちり討ち取れそうなイメージができたのは収穫!

3回の裏も三者凡退…。

3回が終わって0対2で初倉がリード。
さらに言うと、フレンズはひとりもランナーが出ていない…。
(一巡終わってパーフェクトに抑えられる…)

いい加減、何か“手”をほどこす必要がある。

4回の表は6番バッターの大きな子に詰まりながらも左中間を抜かれホームランを打たれたのをきっかけに3点を奪われる。
サトシはどうしても下位打線になると、ボールを置きに行く“癖”がある。さっきの4番バッターに見せたようなピッチングをすればそうそう打たれるピッチャーではないはずだが…。


この身長差!!

4回の裏、フレンズの攻撃。


2番の“スーパー4年生”コウスケがチーム“初”となるヒットで出塁。


“約”4割バッターエイスケがヒットで続き、この回1点を返すことに成功!

4回が終わって1対5で初倉が4点リード。

最近の試合を見ると、4点差は充分“圏内”。
だが、この日はその雰囲気がほとんどない。
相手ピッチャーの速いテンポのピッチングにしてやられて、誰も自分のリズムで打席に入れていない。
強豪チームとの試合経験が不足しているため、自分のリズムで打席に入れないのだ。

5回は共に無得点。

6回表、初倉に追加点を奪われる。

ツーアウトまで簡単に取ったのだが、セカンドのエラーでランナーを許すと、3番バッターにツーベースを打たれ、痛い失点を許す。しかもランナーが2塁に残り、バッターボックスには“メジャー”ばりの4番。


しかし、ここでもサトシが鬼気迫るピッチングを披露!力と力の勝負の末、サードゴロに打ち取る。

5点差を追う、6回裏のフレンズの攻撃。

ワンアウト後、バッターボックスにはユウ。
ユウが出塁すれば“何か”が起こる。


が、結果はショートフライ…。

逆転への雰囲気は全く消えた。

しかし、再びコウスケ、エイスケコンビで得点を挙げる。
4年生のコウスケがヒットで出塁すると盗塁を決め、3番エイスケがセンターオーバーのタイムリーヒット!

さらにランナー3塁と攻め立てるが、4番キョウタロウが三振。

6回が終わって2対6で初倉のリードは4点。

残るイニングは1回のみ。しかもフレンズの最終回の攻撃は下位打線…。実質の終戦…。

最終回のマウンドにはコウタが挙がった。


次の大会を見据えた“明らか”な試運転。強力打線にコウタの“超”遅球がどこまで通用するかを確認するための登板だ。

が、いきなり先頭打者をフォアボールで出塁を許す。
次の打者は“ゲッツー”コースのセカンドゴロ。
これを途中からセカンドに入ったコウセイが後逸し、ノーアウトでランナー1、2塁とすると、次の打者にホームランを許し、3点を奪われる。

まだ、ノーアウト…。

ここ数試合通用していた感のあるコウタだが、この日は全く通用しない。

理由は“少し”球が速くなったから。
今までは、球が遅すぎて、相手打者が“泳ぐ”ようなバッティングになってしまっていたが、ここ最近は、コウタの球速が少し上がってしまっていた。しかも、以前よりも制球も少し良くなっていた。
結果、“超”打ち頃の球になってしまっていたのだ。

さらにヒットを打たれ、ワンアウトも取れないうちに4失点…。

見ている方からすれば、これが本来の実力差。
はっきりいって、初倉ファイターズは強い!
10回やって、1回勝てるかどうかの圧倒的な格上。
自分たちの立ち位置を再認識するうえで、この上ない相手だ。

やはりフレンズは“弱い”。

ノーアウトランナー1塁。


ここでコウタの“唯一”の武器である牽制が炸裂しランナーアウト!

ワンアウトランナーなしとなったが、ヒットにエラーが重なり、ワンアウトでランナー1、3塁のピンチ。


またもや牽制が炸裂!

点差があったため、相手が油断していたことを差し引いても、1イニングに牽制で2度刺すことはそうそうない。
自信になったことは間違いない。

最終回のフレンズの攻撃はランナーを出したものの無得点に終わり、2対10の大敗。

それでも、サトシの強打者に対する投球術の向上、相手ピッチャーを苦にしないエイスケのバッティングが通用すること、ユウが出塁しないと何も起こらないということ、制球力が上がったコウタの牽制の上手さなど、さまざまな要素を確認することができた。
相手ピッチャーのリズムでバッターボックスに入ってはいけないこと、相手ピッチャーを打てそうもない時は、“揺さぶる”ことも必要だと改めて感じることができた。なによりも、チームとしての立ち位置を確認できたのは良かった。


コウヘイの守備力も明らかに向上している。



8月14日から最後の県大会を懸けた戦い「黒潮大会」の浜名湖支部予選が始まる。
三ヶ日フレンズは1回戦で雄踏と対戦。仮に勝つと2回戦で支部チャンピオンの細江と対戦することになっている。
最後の最後で、実に厳しいブロックに入ってしまった…。

さらに、フレンズをどん底に落とす出来事が…。
3番の“約”4割バッターで、チームで2番目にホームランを放っている“スラッガー”のエイスケが左手小指を骨折…。

エイスケの代わりとなる選手はいない。

何度も言うが、黒潮の予選は明後日から。

果たしてフレンズはどうなるのか…。

そしてエイスケは9月4日から始まる県大会に間に合うのか…。


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