夢のまた夢。
そして迎えた『中体連夏季大会』浜松地区予選。
なんとかセッターは間に合ったものの、
この3週間、セッター抜きで練習試合を“なんとなく”こなしただけになってしまったことが影響してか、
せっかく取り戻したはずの“勝つオーラ”が再び消えうせていた。
「それでも上位には進出できるだろう」
甘い考えで大会に臨んだ。
大会が始まるとすぐに、その考えが“甘い”ということに気付かされた。
三ヶ日中を倒そうと、対戦相手は玉砕覚悟のプレーを見せる。
さらには、“負けたら引退”という現実が、最高のプレーを引き出していた。
三ヶ日中はなんとかベスト4まで勝ち上がり、県大会出場を決めた。
だが、そこに至るまでの試合、全てが薄氷の勝利だった。
対戦相手は、敗れたものの、
「三ヶ日中を追い詰めた!」と、応援席から選手に向けて、大きな拍手が送られた。
選手は涙を流しているものの、充実感に満ちた顔をしていた。
一方の三ヶ日中は、まるで敗者のような表情。
プレーの質が上がらないうえ、
気持でも相手に完全に負けていた。
そして、現状を表すかのように、準決勝では新居中学校に“負けた”。
公式戦で一度も負けたことがないチームに、この大事な大会で、“負けた”。
「もう無理だ…」
再びチームはバラバラ…。
県大会でベスト4に入れば、春に続き『東海大会』出場。
だが、そんなことは“夢のまた夢”に思えた。
「もはやここまで…」
今までにないほどの落胆がみんなを包み込んでいた。
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