敗戦からの“本当の”スタート。

ワカさん

2015年04月24日 23:24

平成26年9月6日。

浜松地区新人戦のシード校決定戦が行われた。

このシード校決定戦は6チームを8つのブロックに分け、1セットマッチで対戦。
各ブロックの1位が2日目の決勝ブロックへ進出。
8チームを2つのブロックへ振り分け、4チームで総当たりを行いシード順を決める。
ブロック優勝のチームがふたつできることになる。
整理すると、Aブロックの優勝チームが第1シード、Bブロック優勝のチームが第2シード。Aブロック2位チームは第3シードとなり、順当にいけば、準決勝でBブロック優勝チームと当たる。当然、Bブロックの2位は、準決勝でAブロックの1位と対戦することになる。

三ヶ日中学校の目標は、この大会でのブロック優勝。

浜松地区には西遠女子中学校がいる。
西遠は昨季、全国大会に出場した“超”強豪チーム。
レギュラー5人が残る今年は一層強さが増しており、10回対戦したら10回負ける相手。
ここには絶対に勝てない。
ただ、昨年の成績でブロック分けが行われる関係で、三ヶ日は西遠とは逆のブロックになっていた。
となると、この大会でブロック優勝をしない限り、新人戦浜松地区大会の準決勝で西遠女子中と当たってしまう。
それを避けるためには“ブロック優勝”しかない、ということになる。

三ヶ日中学の目標は「東海大会出場」。
東海大会への出場権は、県大会の上位4チームに与えられるため、優勝しなくてもベスト4に入れば東海大会へ出場できる。
となれば、“絶対に勝てない”西遠は逆のブロックに入った方がその可能性が増える。
さらに言えば、西部大会を2位で勝ち上がりたい。
そうすれば県大会で他地区の下位チームと対戦できるため、東海大会が“グッ”と近づく。
だからこそ、決勝までは西遠と対戦しないようにしなければならないのだ。


大きな不安の中、大会は始まった。

シード校決定戦は1セットマッチ。
瞬発力が必要となる。
いつも立ちあがりが悪いこともあり、不安は一層増した。

それでも1日目は全勝。1位で2日目へ進むことができた。
ただ褒められた内容ではなく、守備、攻撃ともに“チグハグ”感が目に付いた。

2日目は、それぞれのブロックを勝ち上がった都田中、笠井中、南陽中と対戦。
初戦の都田中との対戦は危なげなく勝利。

だが、2試合目となる笠井中との試合で“不安”が的中することになる。

ミスを連発し、連続ポイントを許す苦しい立ちあがり。
守備では相手エースのスパイクを全く拾えず、攻撃では連係ミスを繰り返した…。
それでも終盤、猛烈に追い上げを見せる。
「追いつけるゾ!」
そんなムードが出てきた所で、再び連続ミス…。
あと一歩が追いつけず、21対25で敗れた…。

その後の南陽中には勝利したものの、ブロック2位…。
この瞬間、新人戦浜松地区大会で勝ち上がったとしても、準決勝で西遠女子中と当たってしまうことが確定した。


新チーム結成後、攻守のバランスを重視した、オーソドックスなバレーに取り組んできた。
だが先生は、この日の敗戦を受け、大きく方向転換することを決断。
たった6人しかいない状況で実践するオーソドックスなバレーでは、「東海大会出場」という目標を達成できないと判断したのだ。

新たに取り組むのは、体格差をカバーするための“守備と工夫”のバレー。
他のチームとは明らかに一線を画す、全くの独自路線で「東海大会」を目指すこととなった。

「これこそが唯一無二の進むべき道」

もうこの道を進むしかない。


“本当の”スタートが始まった。



関連記事