“迷走”!

ワカさん

2014年05月26日 20:49

5月10日。

この日は「レワード杯」2回戦。
対戦相手は“第1シード”の天竜中学。
中体連でシード権を獲得するためにはどうしても勝ちたい。

チーム状態は、怪我人が多く万全ではない。

それでもチームの雰囲気は良く、GW期間でチーム力は確実に上がった。

「可能性は十分ある!」

そう思って第1シードとの試合に臨んだ。


序盤は互角の展開。

「いけるぞ!」

応援席にはそんな雰囲気が漂っていた。

が、それは“わずか”な間だけだった…。

天竜中と三ヶ日中では、凡打の“質”がまるで違った…。

ボテボテのゴロやポップフライを繰り返す三ヶ日に対し、天竜の打球はとにかく鋭かった。

失点するのも“時間の問題”と思えた…。

すると4回裏。
3連打を浴び、ついに1点を先制された…。

三ヶ日がスコアリングポジションまでランナーを進めることもあるのだが、
そこに得点の予感はない…。

試合はそのまま0対1で負け、ノーシードで中体連に挑むことが確定した…。


飽き飽きするほどの接戦での敗戦だが、
今回の敗戦は今までのモノと大きく違った…。

大きな大きな“差”のある1対0…。

この先10回やっても10回負ける…。
そんな気さえしてしまうような“圧倒的”な敗戦に思えた…。


たぶん、どこのチームよりも練習した。
厳しい厳しい練習に耐え、チーム力は格段に上がり、
“どことでも戦える”
そう思っていた…。

だが“完全に”負けた…。

これ以上何をすればいいというのか…。


子供たちは先生に「バッティング練習を増やして欲しい!」と懇願したらしい。

三ヶ日中は他の中学に比べ、圧倒的に体が小さい。
バッティングの飛距離は当然、体重に比例する。

チームとして目指すカタチは“守り勝つ”野球だったはずだ。

それで、徐々にだが、結果も出始めていた。

たび重なる“強豪”との接戦での敗戦により、子供たちの気持ちが切れたかもしれない…。

“迷走”

そんな気さえする。


どうやったら勝てるのかわからない…。

子供たちはどうしても“勝ちたい”。
だから「バッティングを!」と言った。
焦る気持ちは痛いほどわかる。

だがこの試合、得点を奪われたのは“記録に残らない”ミスからだった。

ツーアウトランナー1、2塁からレフト前へ強烈なゴロが飛ぶ。
前へ突っ込みボールを捕るが、この時に“ほんのわずか”だが、ボールを“ハンブル”した。
すぐさま中継へとボールを投げるが、この際“ほんのわずかだが”中継のラインが“ズレ”た。

“守り勝つ”野球を目指していたのあれば、あってはいけないミス、与える必要がない得点だった。


翌週、高校生になった“ひとつ上”のキャプテンが練習に訪れた。
バント練習を見ていた彼は、先生にこう告げてその場を去った。

「“絶対に決めてやる”っていう雰囲気が全くないですね…」


今までの野球を貫くのか、はたまた違う野球をするのか…。

さらに言えば、彼らの“伸びしろ”がなくなっているようにも思う…。
どうすれば再び“伸びしろ”がつくれるのだろうか…。

チームが再び深い闇に入ってしまった…。

そんな気がした…。



















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